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錦岡樽前山神社(北海道苫小牧市錦岡)

作成日 平成23年2月15日
追記日 平成30年1月10日
よみ  にしきおか たるまえさん じんじゃ 地理院地図
参拝日  平成22年7月18日(日)
所在地  苫小牧市宮前町3-6-20 (北緯42度36分10秒、東経141度29分0秒)
 地図:地理院地図  いつもNAVI
HP  (北海道神社庁の神社データベースには登録されてゐない)
祭神  (名前にあるやうに、樽前山を祀ってゐると思はれる)
由緒   苫小牧市HPに「錦岡樽前山神社の建立年代は定かではないが、古文献からは、文化6(1809)年松前奉行支配調役、 荒井平兵衛(保恵)の紀行文『東行漫筆』の中に"樽前大権現と額打ちたる社あり"と記述されているところから、それ以前に円空作 樽前権現像を奉納した社が建立されていたことが推定される。」としてゐる。円空作樽前権現像のレプリカが苫小牧市博物館に展示 されてゐるといふ。
 現社殿は昭和五十四年十一月四日に新築落成した。

(H30.01.20追記 苫小牧市史 下巻 p.816-818より)
・樽前にあったが人口の移動に伴ひ、明治二十年頃覚生に移された。
・明治三十七年樽前に移された。
・大正十二年に錦岡駅付近に移転。
 鉄道駅の開業により(明治31年錦多峰(にしたっぷ)駅開業、昭和25年錦岡駅と改名)駅付近が繁栄のため
・昭和40年に移転改築。
雑記  境内には忠魂碑、最近建てられたと思はれる錦多峰戦没者の碑がある。後者は、昭和二十年七月十四日の艦載機群による機銃掃射(苫小牧空襲)を浴びて死亡した錦岡地区の漁業者ら(漁に出た海上で機銃を受けたといふ。明らかな民間人なのに)の名が刻まれてゐるといふ。

(H28.12.30追記)
 樽前権現像は、平成17年から毎年、正月と大祭(六月)に公開してゐるといふ。豊浦町礼文華の洞窟に残されてゐた五体のうちの一体。朽ちた一体は洞窟に残されたが他の四体は洞爺湖の観音島や千歳の弁天堂、釧路の厳島神社に分散され、「樽前権現像」は苫小牧に移された。おんこ(イチイ)の木の一刀彫りで、背面に「たろまゑ乃たけ」と刻まれてゐる。制作(寛文六年)されて今年で350年になる。昭和55年に発足した保存協力会の事務局長(87歳)によると「古老から昔は縄で作ったたわしでどぶ川で円空仏を洗ってゐたと聞いたことがあるが、素晴らしい物だと分かり大事に伝へ続けてゐかねばならないと、地域の人たちが当時、一生懸命活動した」といふ。[1]


平成22年7月18日撮影

平成22年7月18日撮影

平成22年7月18日撮影

平成22年7月18日撮影


樽前山  たるまえさん。気象庁の常時観測火山、溶岩ドームがあり噴煙を上げてゐる。標高1041メートル、直近の噴火 は1978年。寛文7年(1667)、元文4年(1739)には大噴火、空震は津軽地方にまで及んだといふ。文化年間(1804〜1817) の噴火では死者多数といふ。苫小牧では、スコップで地面を掘ると厚い軽石の層が出てくる。

脚注
  1.  平成28年10月19日閲覧 苫小牧民放社 WEBみんぽう 苫小牧・錦岡樽前山神社 円空仏 制作から350年 (2016年 10/17)

・28.12.17 雑記に権現像について追加、地図追加
・30.01.20 由緒欄に、社の移転について追記


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