神社訪問記HP北海道石狩管内 > 江別市

稲荷神社 (北海道〈石狩〉江別市王子)

参拝日 平成30年11月3日(金)
作成日 令和2年2月29日(土)
追記日 令和6年3月26日(火)
よみ  いなりじんじゃ  
所在地 〈石狩管内〉江別市王子24-1 (43度6分59.25秒 141度32分52.61秒)
 地図:地理院地図(ズームレベル15)
    いつもNAVI(ズームレベル13)  
地 図  参拝当時の地図です。 (最新の地図は所在地欄のリンク先をご覧下さい。)
地理院地図、東西 290km×南北 270km の範囲の地図です
・東西290km 南北270km
印:当社位置


地理院地図、東西 1.13km×南北 0.94km の範囲の地図です
・東西 1.13 km × 南北 0.94 km、
印:本殿の位置
HP等  ─
祭 神  稲荷神
由 緒  富士製紙(株)江別工場の安全祈願のため、大正7年6月15日、京都伏見の稲荷大明神の御分霊を奉祀した(1)
雑 記  函館本線江別駅から北西へ、1.0kmの所にある。工場の所有地内。

 当社を知るきっかけは、地図に神社の存在が示されてゐたから。江別市内の神社は、地理院地図に神社記号のある所は全部参詣しようと考え、地図をみてゐた。
 ところで、昭和27年の地理院地図には現在地に神社記号は無く、現在地から東へ600mの市街地に近い所、現在の新江別大橋たもと辺りにある(但し、社名の記載なし)。現在の国道12号線は、当社と江別駅の中間辺りの工場地を高架で通って、新しく架けた新江別大橋へとつながってゐる。と云ふ事は、橋・バイパスの建設に伴って遷座したと考へるのが自然だ。バイパスの完成は昭和51年11月で、奉納されてゐる狛犬(狐)・鳥居共に「関係会社 関連会社一同 昭和四十九年十一月」なってゐるので符合する。
 境内地は、工場の門の内側ではなく、自由に出入りできる。社殿は鉄筋コンクリート製で、中には木製の御本殿が置かれてゐる。御本殿の写真が上手く撮れなかったのは残念。(R06.03.26追記 写真4として掲載した)

 当社のお祀りは盛大だったやうで、『えべつ百話』(1)には次のやうに記してゐる。
 昭和初期をとおし、江別における最大の催しは、江別競馬(昭和3〜13)と王子祭りの仮装行列(大正中期〜昭13)ではなかろうか。いずれも江別の町民だけではなく、近郷近在からも多数の人々が押しよせ、その日は町全体がハレの気分に酔いしれる。特に王子の仮装行列は、市井の老若男女が街頭に飛び出し、非日常の夢舞台に高揚するのであった。
 赤間幸司(元・江別工場長)によると、王子の工場敷地内に稲荷神社ができたのは、大正7年6月15日である。この日、京都伏見の稲荷大明神の遷座祭が行われた。無論、工場と従業員の安全祈願のためである。この祭の、呼び物の仮装行列がはじまったのは、翌8年頃からと思われる。
 大正10年の場合、午前七時から江別神社宮司内田源十のお祓、祝詞のあと、関係者による玉串奉奠があり、祭典は同七時五十分におわる。そして八時、仮装行列は工場正門を出る。

中略

 王子の祭り、なかでも仮装行列は江別町民の最大の楽しみであった。大正初期から昭和の10年代にかけ、その模様を街の高橋写真館や高間新聞店などが、毎年のように絵葉書にして売り出している。つまりは、江別の名を高らしめる目玉商品の一つといえた。

中略

 王子の祭りは、仮装行列だけで終ったわけではない。この後、従業員の大運動会が開催される。これも大正10年の例をとると、仮装行列が終了した午前十時から飛鳥山グラウンドで職場対抗の運動会が午後四時まで行われた。中略 種目は三十もある。

製紙工場の歴史をざっくりと記すと、
  • 明治41年 操業開始 富士製紙(株)の第五工場(江別工場)
  • 昭和8年 王子製紙に吸収合併
  • 昭和18年 木製飛行機工場に転換(王子航空機(株)工場)
  • 昭和22年 北日本製紙産業(株)設立(主力工場)、24年社名を北日本製紙(株)に変更
  • 昭和45年 王子製紙と合併、王子製紙(株)江別工場となる
  • 平成5年 新王子製紙(株)となる(神崎製紙と合併で)
  • 平成8年 王子製紙(株)となる(本州製紙と合併で)
  • 平成16年 特殊紙部門と富士製紙(株)との統合で王子特種製紙(株)発足
  • 平成24年 社名を王子エフテックス(株)江別工場に変更

 神社巡りの第二日目。本日の当所計画は、17社。欲張ってゐるので、実現出来ないと思ふが、時間を余さないやうに、多めに準備だけはしてある。(実績は13社に留まった。)
 7時過ぎ、宿を出発した。霜が降りて車のフロントガラスが凍って溶けるのに時間がかかった。
 当社の入口が判らない。車でゆっくり走るが判らない。一周して近くに車を停めて歩いて探したところ、入口が倒木で塞がってゐた。判らないはずだ。境内に入ると、鳥居の附近に倒木が除けられずそのままになってゐる。9月4日夜から未明の台風21号による被害なのだらう。
 次の訪問・参拝は、石狩大橋のたもとに在る石狩大橋水天宮。道程で0.9kmの近さ。

写 真  (拡大写真は新しいタブ又はウインドウで開きます)

写真1


写真2


写真3


写真4  御本殿


出典・脚注
  1. 『ユベオツ撰書1 えべつ百話 上』 藤倉徹夫著 2006年 p.246-250 46話 王子の祭り 仮装行列

改訂記録
  • 令和06.03.26 (1)ページ内の配置変更(スマホでの閲覧に配慮)。 (2)写真に番号を附した。 (3)誤記修正:雑記欄の「西600m」→「現在地から東へ600m」 (4)御本殿の写真を追加(写真4)

文頭へ移動  ホーム(神社訪問記)


inserted by FC2 system