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常呂神社 (北海道〈オホーツク〉北見市常呂町)

参拝日 令和4年6月10日(金)
作成日 令和5年7月2日(日)
追記日 令和6年1月29日(月)
よみ  ところ じんじゃ
概要  北海道北見市常呂町に鎮座する。塩土翁神・建速須佐之男大神・大綿積大神・天照皇大神の四柱を祀る。
  • 明治二十六年、八大竜王で船玉神社と号した
  • 大正八年、函館から船玉大神の御分霊を受けた
  • 昭和四年、無格社として公認された
  • 昭和七年、村社に昇格
 
所在地   〈オホーツク管内〉北見市常呂町字常呂63番地
  北緯 44度7分13.57秒
  東経144度4分54.48秒
 地理院地図(ズームレベル15)
 マピオン(ズームレベル13)  
地図  参拝当時の地図です。最新の地図は所在地欄のリンク先をご覧下さい。
地理院地図、東西 290km×南北 270km の範囲の地図です
・東西290km 南北270km
印:当社位置


地理院地図、東西 1.13km×南北 0.94km の範囲の地図です
・東西 1.13 km × 南北 0.94 km、
印:本殿の位置
 
HP等 ・北海道神社庁 北海道の神社 常呂神社
・Wikipedia:常呂神社
・当社 常呂神社【公式】(Instagram)
祭神  塩土翁神 (しおづちおじのおおかみ)
 建速須佐之男大神 (たけはやすさのおのおおかみ)
 大綿積大神 (おほわたつみのおおかみ)
 天照皇大神 (あまてらすすめおおかみ)
由緒  元 村社
 北海道神社庁誌(平成七年)には次の様に載ってゐる(2)
由緒 天照皇大神を祭神としていたが改めて調査した処、下記の四神と判明した。(1)塩土翁大神、(2)天照皇大神、(3)建速須佐之男大神、(4)大綿積大神である。当村の開発は遠く文化年間にして、当時和人が内地より春夏の候帆船に乗って来て漁獲を以て業としていた。明治十五、十六年頃より内地人の来往する者がますます増えたため、神社が無いのは遺憾だとし、明治二十六年六月小西謹七郎・松田三次郎・大越善三郎・下川寅吉・文野貞志・柴田直次郎の七名が発起し同年八月有志より金七六円一〇銭の寄附金を募り現在の地に小祠を建設して、村落の繁栄と住民の安全を祈念し、村の発展と共に神威顕著なるものがあった。有志協議の上、大正七年現在の社殿を造営し、昭和三年御大典を記念し篤志家より境内地及基本財産の寄附を得、境内外の面目を一新し真に全村鎮守の神社として名実共に完備し、昭和七年一月二十七日村社列格となる。

常呂の神社データベース(1)を元に補ふと、
  • 明治二十六年の創立当初は、祭神は八大竜王で船玉神社と号した
  • 大正八年、網走神社間作神官を通して函館から船魂大神の御分霊を受け、祭神として奉祭
  • 昭和三年、神社の公認申請。弁天神社と呼ばれてゐた
  • 昭和四年、無格社として公認
  • 昭和八年、常呂漁業組合から豊漁感謝祈念と村社昇格祝い、神輿が寄贈
  • 昭和三十二年、常呂神社鳥居竣工(弁天地区階段下)
  • 昭和五十四年、常呂神社創立50周年記念、ホタテ新造船のお披露目、海上作業の安全・豊漁祈願として常呂漁協が神輿の海上渡御実施 (海上渡御は以前から行はれてゐた。昭和二十七年の例祭時の海上神輿渡御の写真があるので)
  • 昭和六十一年、常呂神社社殿前鳥居竣工(昭和六年の写真には木製鳥居が写ってゐる)
雑記  最寄駅は南東17.8km、道程29kmの石北本線網走駅。
 かつては、湧網線常呂駅が西北西へ0.8kmの所にあった。当駅は昭和11年開業、昭和62年廃止、湧網線廃止に伴ふ。 
 北見市役所は南南西へ38km、道程43kmと遠い。

 神社で御朱印を頂いた際、絵葉書も頂いた。カーリングのハウスを描いたもので、近くにあった郵便局から自宅ほかへ送った。銀メダルは、常呂町民はとりわけ嬉しかったんだらうな。私も嬉しかったくらいだから。

 北見市立図書館web内に 常呂の神社データベース(2) があり、当社を始め、(1)相馬妙見小高神社 (2)相馬神社 (3)共立八幡神社 (4)豊川巌地神社 (5)富丘神社 (6)福山神社 (7)栄浦神社 (8)鐺沸神社 (9)土佐神社 (11)岐阜神社 (12)日吉神社 (13)吉野神社 (14)登神社 (15)国力鉱山山神神社 (16)登位加高台神社 の情報がある。この中には、国土地理地図に記号記載の無い神社、既に廃社となった神社含まれ、写真も多くある。
 中でも詳細だったのは、後に端野町と常呂町の行政区に分れた旧地名の登位加(といか)にあった高台神社。両町の町史にも取上げらなかったのを調査し、16ページの記録(3)としてまとめてある。人口減少のため平成24年に感謝祭後魂抜きをしたと云ふ。
 常呂図書館作成のデータベースはテーマ別各種年表、橋と川の紹介、記念碑・石碑・木柱など、地域資料に綴られた常呂のできごと、郷土ところ(常呂町郷土研究同好会発行、全62号、テキスト検索可)、北方資料デジタルライブラリー、と充実してゐる。図書館に行かなくても調べられる。すばらしい。


【常呂町について】
    常呂町は、北見市の町域。平成18年に合併した。
  • 人口等  合併前人口:4800人余(令和18年)、面積:278km2
  • 沿革(2)
    • 明治16年(1883) 開基、常呂村に常呂村外六箇村戸長役場が設置
    • 明治30年'1897) 戸長役場より野付牛村外一箇村分離
    • 大正3年(1914) 湯沸村(後の佐呂間町)を分離
    • 大正4年(1915) 常呂村、少牛(ちいうし)村、太茶苗(ふとちゃない)村、手師学(てしまない)村が合併し、常呂村となる。鐺沸村の一部を編入。
    • 大正5年(1916) 大字小牛の一部を分割、残りは大字手師学村に編入
    • 昭和16年(1941) 大字廃止
        大字常呂村  → 常呂、東浜、土佐、岐阜、共立、富丘、豊川、栄浦
        大字太茶苗村 → 福山
        大字手師学村 → 日吉、登、吉野
    • 昭和25年(1950) 町制施行
    • 昭和62年(1987) 湧網線廃止
    • 平成18年(2006) 留辺蘂町、端野町、旧北見市と合併し、北見市の一部となった
  • 常呂町域の神社  神社庁包括下の神社は当社のみ。地理院地図に神社記号は、9ヶ所あった(4)

写 真  (拡大写真は新しいタブ又はウインドウで開きます)
写真1 写真1 拡大 (1280×960)
 一の鳥居
 昭和三十二年に建立の弁天地区階段下の鳥居(由緒欄参照)がこの鳥居と思はれる。
 上の駐車場から降りてきてから判ったのだが、
   「老朽化のた為通行禁止させて頂きます。……」
 と張紙があった。
 社号標は昭和三十三年奉納

写真2 写真2 拡大 (1280×960)
 下の鳥居から階段を登り切ったところ。

写真3 写真3 拡大 (1280×960)
 事実上の一の鳥居。
  由緒によると、昭和六十一年建立。
 こちらの社号標は、碑背に「常呂神社認可五十周年記念 昭和五十四年度祭典委員会一同 昭和五十四年十一月建立 常呂神社三角公彦書」とある。

写真4 写真4 拡大 (1280×960)
 社殿正面
 写ってゐる狛犬は、平成15年12月建立。

写真5 写真5 拡大 (1280×960)
 斜め前からみた社殿

写真6 写真6 拡大 (1280×960)
 社殿側面

写真7 写真7 拡大 (1280×960)
 拝殿内

写真8 写真8 拡大 (1280×960)
 海難者慰霊碑 書は北海道知事 町村金五
 碑背には「昭和38年11月建之 常呂漁業協同組合」とある。
 昭和29年のオホーツク災害による被災者の霊を慰めるため建立。29年5月9日に暴風を伴った低気圧によって、知床半島沖に出漁してゐた常呂漁業協同組合所属の小型漁船は、避難する間もなく、多数沈没し、死者・行方不明21名といふ大災害になった。(2)
 柵の向かうには家並とオホーツク海が見えてゐる。
 

写真9 写真9 拡大 (1280×960)
 拝殿前から鳥居方を望む

御朱印
御朱印 拡大 (645×960)
 

御朱印
御朱印 拡大 (643×960)
 図柄はカーリングで使はれる氷に描かれたハウス(目標区域)とストーンと呼ばれる丸い石
 2022年の北京冬季オリンピックでカーリング女子日本代表は銀メダルを得た。チームは常呂を拠点にしてゐるロコ・ソラーレ。「ロコ」は 常呂っ子 由来(5)


出典・脚注
  1. 『北海道神社庁誌』北海道神社庁 平成11年 p.584-585
  2. 令和5年6月25日閲覧 北見市図書館常呂の神社データベース
  3. 令和5年6月26日閲覧 北見市図書館常呂の神社データベース登位加高台神社の記録 令和4年 編集・文責:加藤孝
  4. 令和5年6月26日閲覧  北見市との合併前の常呂町域にある神社、但し、地理院地図の神社記号のある所のみ。社名は、googleマップによった。
      社名  (所在地)  緯度経度
    • 栄浦神社(字栄浦) 44度07分41.60秒 143度58分22.98秒 さかえうら
    • 鐺沸神社(字栄浦) 44度07分46.67秒 143度59分35.67秒 とうぶつ
    • 岐阜神社(字岐阜) 44度06分55.07秒 144度00分33.53秒
    • 神社  (字土佐) 44度06分34.39秒 144度03分16.64秒
    • 巖地神社(字豊川) 44度03分47.54秒 144度01分35.45秒
    • 福山神社(字福山) 44度01分34.14秒 144度00分06.69秒
    • 日吉神社(字日吉) 43度58分57.34秒 143度56分44.76秒
    • 不詳  (字吉野) 43度58分11.53秒 143度52分29.31秒 近くに馬頭観世音の碑がある
    • 登神社 (字登)  43度56分50.82秒 143度54分39.24秒
        (常呂の神社データベースによると神社(字土佐):土佐神社、不詳(字吉野):吉野隈川神社)
  5. 令和5年6月26日閲覧 ロコ・ソラーレHPLoco Solare

改訂記録
  • 令和06.01.29 ページ内の配置変更(スマホでの閲覧に配慮)。HP等の欄にInstagram(常呂神社【公式】)の追記

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