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小清水神社 (北海道〈オホーツク〉小清水町)

参拝日 令和4年6月12日(日)
作成日 令和5年11月12日(日)
よみ   こしみず じんじゃ
概要  北海道オホーツク管内小清水町に鎮座する。明治初期の創建で町内最古の神社。明治三十五年社殿を造営、昭和十七年村社に列格した。天照大神・天御中主神を祀る。  
所在地  〈オホーツク管内〉小清水町元町一丁目51
  北緯 43度51分46.24秒
  東経144度27分37.97秒
 地理院地図(ズームレベル15)
 グーグルマップ(ズームレベル14)  
地図  参拝当時の地図です。最新の地図は所在地欄のリンク先をご覧下さい。
地理院地図、東西 290km×南北 270km の範囲の地図です
・東西290km 南北270km
印:当社位置


地理院地図、東西 1.6km×南北 1.3km の範囲の地図です
・東西 1.6 km × 南北1.3 km、
印:本殿の位置
・上図は原寸大を71%に縮小表示
HP等  北海道神社庁 北海道の神社 小清水神社
祭神  天照大神 (あまてらすおおかみ)
 天御中主神 (あめのみなかぬしのかみ)
由緒  旧社格 村社

 北海道神社庁誌(平成11年)には次の様に載ってゐる(1)
由緒 明治初期櫻ヶ杜の聖地を神地と卜し、天照皇大神宮と謹書し木碑を建てた。明治三十五年九月社殿(一坪五合)を造営し、明治四十二年八月伊勢の神宮より天照皇大神の御神霊を請けて奉斎した。当時小清水神社は只単に大神宮さんと唱えられ、その鎮座地より止別神社とも何時しか称えられたこともあり、その後、年と共に移住者が増加し、大正八年四月一日斜里村より分村した。氏子の敬神崇祖の念誠に篤く、大正十一年社殿(二十坪七合五勺)を造営し、更に大正十四年社殿三十五坪五合を増改築し、福島県の相馬中村神社より天御中主神の御神霊を請けて合祀し、小清水神社と称する。大正十四年十二月一日神社創立申請をし、昭和二年四月二日内務大臣より公認神社として創立許可になる。昭和十七年九月社殿を改修し、昭和十七年九月九日村社に列せられ、同年九月十六日神饌幣帛供進神社に指定される。昭和二十年十二月二十八日社格を廃し、昭和二十一年七月十日宗教法人の規定により、神社本庁所属神社として承認。昭和二十八年二月二十四日宗教法人の認証を受ける。昭和四十一年八月社殿(四十五坪)を造営し、同年八月二十七日遷座祭斎行に至る。神社境内は大自然に囲まれ、小清水神社の鎮座由緒は、小清水の開拓の歴史と共に尊ばれている。

『新小清水町史』(平成十二年)に当社の、より詳しい記載がある(2)。それを元に、上記由緒を補ふと次の様。
 ・町内で最古の神社
 ・村社昇格申請が成就したのは三度目の申請による。一度目は昭和三年、二度目は昭和六年、三度目は昭和十六年。
 ・大相撲協会の小清水巡業が昭和二十二年・昭和三十二年に境内で行はれた
 ・昭和五十二年十二月、社務所・職舎を新築
雑記  最寄駅は、網走方面へは浜小清水駅で道程8.2km(バス有り)、釧路方面へは清里町駅で道程13.3kmとなる。 
 女満別空港が西へ24km(道程35km)の所にある。
 町役場は南南東へ0.7kmの所にある。


 『第9期小清水町農業振興計画』(3)の中で、馬鈴薯は澱粉原料用が主で生産量の92%を占める。
 
そんなに多いとは驚きだった。また、農産物生産計画の数値が興味深かった。
 平成27年の値-馬鈴薯用途
          @生産額  A反収(10a)  @×A
  食用・加工用  46.6円/kg  2473kg  115000円/10a
  澱粉用     31.8円/kg  4758kg  151000円/10a

 反収の違ひは、品種の違ひだけなのか、歩留りの違ひが大きいのかわからない。価格は生産地により違ひが大きいのだらうか。この数字では澱粉用の生産量が圧倒的に大きいのは当然だった。
 北海道新聞の記事(2023年7月15日)によると、収穫時に人手が必要で作付面積が減少傾向に有り、2023年には在庫が無くなりかねなく澱粉の販売価格を1割引上げたので来年の作付増を期待してゐる、澱粉用じゃがいもは約7割がオホーツク管内産、と云ふ。
 なお、じゃがいもは輪作の中に組込まれてゐるので、つまり小麦や甜菜と同じ面積となるのか基本だから、じゃがいもだけを大きく作付を増やすわけにはゆかないはず。シストセンチュウ対策も絡むんだらうな。


小清水町について
人口等   人口 4451(令和5年9月末) ピークは昭和35年(1960)の11517人(国勢調査)(4)
      面積 286km2
産業    畑作(甜菜・馬鈴薯・小麦)、酪農
沿革(5)
  • 明治42年(1909) 小清水神社創建
  • 大正4年(1915) 二級町村制施行で五か村合併して斜里村となる
  • 大正8年(1919) 斜里村から止別(やむべつ)、蒼瑁(あおしまい)を分村して小清水村となる。人口5740人。
  • 大正14年(1925) 網走駅-斜里駅(現 知床斜里駅)開通、古樋駅(現 浜小清水駅)、止別駅開業。
  • 昭和5年(1930) 北見鉄道が仮止別駅-小清水駅間を開業、後国鉄止別駅乗入れ。(昭和15年、鉄道廃止)(6)
  • 昭和16年(1941) 小清水軌道が古樋駅-小清水-駅-水上駅間18kmの開業。(昭和27年廃止)(7)
  • 昭和28年(1953) 町制施行(人口11140人)
  • 平成30年(2018) 小清水開町100周年記念式典挙行

神社   神社庁包括下にあるのは当社のみ。神社庁包括外の神社は、国土地理院の神社記号に限ると11社ある(8)



 今回の北海道神社巡りは当社が最後。小さな自損事故はあったものの大過なかった。天気は最終日以外は晴れで雨は五日間の内一日のみで恵まれたと思ふ。

 令和三年・令和四年と続けて新緑の季節に道内を走り回った。今年(令和五年)も同時期に道内神社巡りをしてゐる。令和五年分の訪問記は来年から書くことになるだらう。
 鎮座地(市町村)の人口や沿革等も神社の背景情報として重要と思ひ始め、五月掲載分あたりから、調べて、より多く記載し始めた。つい最近は国立国会図書館デジタルコレクションで市町村史の閲覧可能な場合があると知って利用し始めた。小清水町webでは新しい町史の閲覧ができた。有難いこと。
 反面、調べることが多くなり、文書作成に時間が掛ってゐる。
 来年(令和六年)の神社巡りの計画立案も、始める時期かも知れない。時が過ぎるのは速い。

写 真  (拡大写真は新しいタブ又はウインドウで開きます)
写真1 写真1 拡大 (1280×960)
 社頭
 道路沿ひに赤松が並んでゐる

写真2 写真2 拡大 (1280×960)
 社号標と馬像
 社号標は「鎮守 小清水神社」、側面に「明治神宮 藤田尚コ謹書 昭和十九年揮毫、背面に昭和三十八年九月吉日建之」とある。
 馬像は、「昭和十五年、村産業組合が楠木正成の忠義をたたえて、当時の宮城(現皇居前広場)にあった「大楠公の像」を模した像を奉納したが、同十八年金属回収により献納したため、しばらく台座だけが残っていた。現在の場像は、同三十九年六月、それに代り「開拓の馬」をたたえ建立された」(2)

写真3 写真3 拡大 (1280×960)
 参道

写真4 写真4 拡大 (1280×960)
 社殿 正面
 南西を向いてゐる

写真5 写真5 拡大 (1280×960)
 社殿 斜め前、慰霊碑
 慰霊碑の背面には碑文が刻まれてゐる
過ぎし大戦(日露戦争 満州事変 支那事変 大東亜戦争)に於て貴い犠牲となり世界平和の礎石となって散華された幾多戦没者の霊を慰め祀ることは戦後に残さ れた我等町民の責務である
昭和四年当時在郷軍人会の建立にかかる旧忠魂碑は多年の風雪に損傷著しく茲に終戦二十周年を迎えるにあたり戦没者之英霊を慰め永くその偉勲を後世に伝えるため町民一丸となり慰霊碑建立期成会を結成し遍く町民の浄財を募り新たに慰霊碑を建立したものである
(委員名等中略)
昭和四十一年六月十五日建之


写真6 写真6 拡大 (1280×960)
 社殿 側面
 碑は「皇紀二千六百一年記念」とあり、背面には石段寄附者名が刻まれてゐる。

写真7 写真7 拡大 (1280×960)
 拝殿内
 

写真8 写真8 拡大 (1280×960)
 拝殿前から鳥居方を望む
 狛犬の台には次の様に刻まれてゐる
昭和二十四年九月十七日、町内牛歩會四十五名の方々から小清水神社に奉納されたる狛犬一対は、六十年余の風雪に耐え老朽化が甚だしく、此度の社殿移設御造営に伴い(有)北見石材店から新たな狛犬一対奉納されたる中に納め芳名を掲げ奉る。
平成二十二年九月十六日
奉納  (有)北見石材店


写真9 写真9 拡大 (1280×960)
 

写真10 写真10 拡大 (1280×960)
 境内社
 向って左から、佐倉神社、馬頭観世音、北辰 妙見天御中主、最も右側の石碑は文字が読めなかった

御朱印
御朱印 拡大 (684×960)



出典・脚注
  1. 『北海道神社庁誌』北海道神社庁 平成11年 p.579-580
  2. 令和5年11月8日閲覧 『新小清水町史』平成十二年 p.723-724  小清水町web四 神社
  3. 令和5年11月9日閲覧 小清水町web第9期小清水町農業振興計画
  4. 令和5年11月2日閲覧 『小清水町勢要覧2022 資料編』平成十二年 p.4 (小清水町web内人口)
  5. 令和5年11月2閲覧  『小清水町勢要覧2022 資料編』平成十二年 p.20〜22 (小清水町web内こしみずの年譜)
  6. 令和5年11月5日閲覧 ウィキペディア 北見鉄道
  7. 令和5年11月5日閲覧 ウィキペディア 小清水軌道
  8. 令和5年11月12日閲覧 町内の神社を国土地理院地図で神社記号のある神社についてグーグルマップほかにより社名や社殿の確認を行った。

       社名(地名) 緯度 経度 読み コメント・リンク(*)
    • 砥草原神社 (上徳)  43度49分09.24秒 144度26分27.41秒 荒れてゐる 
    • 共和神社  (共和)  43度50分10.40秒 144度27分23.72秒        
    • 神浦神社  (神浦)  43度51分32.21秒 144度24分42.20秒       
    • 不詳    (美和)  43度52分07.18秒 144度27分42.65秒 現存せず(2014年7月杜と社殿あり)
    • 旭野神社  (旭)   43度51分52.98秒 144度31分37.09秒        
    • 旭神社   (旭)   43度52分59.36秒 144度31分20.33秒       
    • 止別神社  (止別)  43度55分11.44秒 144度31分23.88秒 やむべつ  
    • 野坂神社  (北斗)  43度53分37.44秒 144度29分39.83秒       
    • 下止別神社 (北斗)  43度54分20.19秒 144度28分45.68秒       
    • 古樋神社  (小清水) 43度56分01.40秒 144度27分06.53秒       
    • 東小清水神社(東野)  43度51分16.78秒 144度33分21.76秒       
       (*)リンク G:グーグルマップ
             2:2ラス さんのYouTube 該当神社の動画

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  •  〃    26 配置再修正

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