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幌内神社 (北海道〈空知〉長沼町)

参拝日 平成30年11月1日(木)
作成日 令和2年2月8日(土)
追記日 令和6年3月27日(水)
よみ  ぽろない じんじゃ  
所在地 〈空知管内〉長沼町字ポロナイ1512番地 (42度56分11.14秒 141度43分24.96秒)
 地図:地理院地図
    いつもNAVI  
地 図  参拝当時の地図です。 (最新の地図は所在地欄のリンク先をご覧下さい。)
地理院地図、東西 290km×南北 270km の範囲の地図です
・東西290km 南北270km
印:当社位置


地理院地図、東西 1.13km×南北 0.94km の範囲の地図です
・東西 1.13 km × 南北 0.94 km、
印:本殿の位置
HP等 ・北海道神社庁 北海道の神社 幌内神社
祭 神  誉田別神(ほんだわけのかみ)
 豊受姫神(とようけひめのかみ)
由 緒  元 村社
 北海道神社庁誌には次のやうにある(1)
由緒 明治二十七年十二月、当時移住した開拓者は崇敬の念篤く、神社創建の計画を立て永続資金を募り、境内地の選定確保などに着手、明治三十年誉田別神を奉斎し八幡神社と称し、明治三十五年拝殿を建築、明治四十三年本殿改築、豊受姫神を合祀し、幌内神社と社号を改め、明治四十四年五月創立許可を受け無格社の社格を得る。大正十五年本殿流造上屋根付、幣殿、拝殿向拝入母屋造に改築を行い、昭和十九年村社に昇格す。昭和二十一年四月宗教法人設立、昭和二十六年自作農創設特別措置法に伴い、神社々有地は一万七百六十二m2となり現在に至る。

 「幌内神社 鎮座百年之碑」碑文には次のやうに刻まれてゐる。
幌内神社の歴史を顧みれば、明治二十七年十二月に移住者等が神社創建の計画を立て永続資金を募り、境内地の選定確保造成等に着手、ポロナイの略中央に位置し、柏の巨木が繁茂する原生林に覆われ、長都沼・馬追沼と馬追原野の各所に点在する大小の沼を眼下に見下ろし、遙か近隣の村落と札幌山系を一望する土地を選び社殿を建立明治三十年守護神として誉田別神を奉齋し八幡神社と号し、茲に御鎮座された。
明治三十五年平沖又作氏より神社用地として三町歩(29751平方米]余の寄附を受け、更に三町歩余の土地を求め、拝殿を建築。境内外地共管内屈指の広大な土地を有する神社となった。明治四十三年本殿改築、豊受姫神を合祀し、幌内神社と社号を改め、明治四十四年五月創立許可を受け無格社の社格を得る。大正十五年御本殿を幣殿・拝殿の改築を行い、現在の荘厳なる御社殿が完成され、昭和十九年九月目出度く村社に列格される。終戦を迎え、昭和二十一年四月宗教法人法による神社神道の神社として承認され、神社本庁に所属した。昭和二十六年九月自作農創設特別措置法に伴い、社有地は10763平方米となり現在に至る。
本日茲に幌内神社御鎮座百年臨時大祭と奉祝行事が十八区会館落成式と共に盛大に挙行されました事は、これ偏に歴代宮司の御尽力と厳しい自然と闘い開拓に力を注がれた先人の方々と歴代区役員を始め神社役員並に氏子・崇敬者の皆様が敬神崇祖の誠をもって一致団結し神社と幌内の興隆に尽くされた賜であり篤く謝意を表するものであります。この鎮守の社は神々と共に先祖の御霊が遊び給う処であり、人々の心の依り所として安らきを請い願い、今後いかなる変貌の有ろうとも先陣の偉業を汚す事無く祭祀を継承しこの慶びを契機として幌内の更なる発展と各位の御顕彰を祈念申し上げます。
   平成八年九月吉日
幌内神社宮司 菅原邦夫 謹書

 社頭の掲示には次のやうに記されてゐる。
由緒記
北海道夕張郡長沼町ポロナイ1512番地鎮座
    幌内神社
一、御祭神 誉田別命[応神天皇]・豊受姫命・大宜津姫命
一、御神徳 誉田別命は武の神として名高く、勝利祈願受験合格出世開運、二柱の神は衣服、住居、五穀豊穣の守護神として崇められている。
一、由緒 明治二十七年創紀以来開拓者が祠を建て開拓の達成を祈願。明治三十年誉田別命を奉斎「八幡神社」と号し茲に御創始とされる。明治四十四年大宣津姫命・豊受姫命の二柱の神を合祀し、「幌内神社」と改号、創立許可を受ける。大正十五年本殿・幣殿等の修復、現在の荘厳なる八幡造の御社殿竣工、昭和十九年村社に列格される。昭和二十八年宗教法人法による宗教法人神社神道の神社として証される。平成八年御鎮座百年臨時大祭を斎行。
一、祭事 四月六日 祈年祭・招魂祭
九月六日 秋季例大祭
十一月二十四日 新嘗祭
一、建物 本殿・幣殿・八幡造拝殿・向拝・鳥居・石灯籠・狛犬、忠魂碑。社宝八幡額・町文化財のメンヒル
一、境内 ポロナイの略中央に位置し、眼下には宏大な田園風景と樽前山系を一望する10116.12平方米の土地には、開拓当時の楢の木、北限の檜を始め各種の樹木が繁茂する壮麗なる境内を有する。
一、氏子 幌内[十八区]一円 [平成十六年九月謹記]
雑 記  北海道内の24社を11月1日から2泊で巡った。
 行きたいと思ってゐた、江別神社・新篠津神社・西野神社(札幌市)を含めた道央の社で、計画は29社を巡るといふもの。
概要は、
・一日目(11月1日):昼に千歳空港に着き、車を借り、6社を巡り、江別泊。
・二日目(11月2日):江別市内と周辺市町村の12社を巡り、江別泊。(計画は17社)
・三日目(11月3日):江別市内と札幌市内の6社を巡り、昼に札幌駅前で車返却。
・江別の日の入りは16:27頃、平年の最低気温 2.2℃ 最高気温 12.1℃で、初雪の頃だ。
・知らなかった歴史に触れた二泊三日だった。

 第一日目は、当社のほか、三川神社・由仁神社・長沼神社・南幌神社・早苗別揚水機場神社を巡った。


 当社は、三川駅から西へ6.8km、北広島駅から東南東へ15km、長沼町役場から南南東へ8km、馬追丘陵の西側にある。レンタカーの千歳空港営業所から道程18km。
 紅葉は終ってゐるだらうと思ってきたが、なかなかに綺麗な彩りを見せてゐた。

 当社境内には多くの碑があった。
  • 「記念碑」(開村二十五年とみられる) 漢文の上、文字が薄れ判読しづらいが、明治二十八年広島県人(新谷他人造平氏二氏名)、福井県人(一氏名)、福岡県人(一氏名)、石川県人(三氏名)、富山県人(二氏名)、徳島県人(二氏名)、宮城県人(一氏名)、他に、「忍交通不便耐物資之欠乏」「子孫百年之計」「開拓弐拾五稔記念祭」の文字が読取れた。
  • 「開拓六十周年記念碑」 隣に円柱の柱に現住者人名が刻まれてゐる(人数未確認)
  • 「開拓七十年記念石」 昭和三十九年九月建之
  • 「幌内開基八十周年記念」碑 阿部忍謹書 碑背に昭和49年11月吉日建之 現住者名(氏名略 111名)
  • 「幌内開基九十周年記念」碑 長沼町長 村山敏文謹書 碑背に第18区現住者氏名(氏名略 86名)
  • 「開基100年記念」碑、題「風雪百年」長沼町長 板谷利雄謹書 碑背に碑文と十八区現住者名(氏名略 74名)
    開基100年記念
    碑文
    幌内の開拓は明治二十八年新谷他人造氏外十数名の入植に始る
    以来多くの先人達が昼なお暗い原生林と茫漠たる馬追原野の開墾に鋤をふるい度重なる冷害水害にもめげず厳寒の風雪にも耐えて実り豊かな幌内の地を築きあげました
    百年を迎えた今日蔬菜の一大生産地となり山すそを見れば乳牛の群れが悠々と草をはみはるか眼下を眺めれば黄金波うつ稲作地帯となりました
    ここに開基百年を迎えるにあたり繁栄の基礎を築かれた先人の偉業を讃えご苦労を偲び更に二世紀に向けて無限に飛躍せんことを部落住民一同誓い
    記念碑を建立する
     平成六年九月
    幌内開基百年記念奉賛会
  • 忠魂碑 陸軍中将田中義一 基石には、戦死者氏名・階級・年月日・場所が刻まれてゐる。田中義一は大正四年に陸軍大臣、大正十年に陸軍大将を務め、昭和二年には首相を務めた。明治四十三年に在郷軍人会(大正三年から海軍も対象になった)を組織してゐる。刻まれてゐる戦没者には、明治三十七年に亡くなられた方がゐる一方、昭和二十一年の日付もある。大正八年九月建之
他に石像物には次の物があった。
  • メンヒル(立石) 掲示に「俗に船つなぎ石といわれているが、実は縄文時代後期の人達の墳墓に使用されたものらしい。この石は、支笏湖付近の安山岩等で馬追丘陵では産出しない。長沼町教育委員会」とあった。
  • 社前の灯籠 「未開地壱万坪 寄附人 平沖又作 明治三十五年」と刻まれてゐる
  • 参道にある灯籠は「大正二年九月建之」寄附人等の名が刻まれてゐる
  • 鳥居に近い所にある灯籠は、「昭和六十三年六月 米寿祝」、明治三十四年生れの方が奉納されてゐる
  • 社号標 昭和十六年七月七日建之 札幌軟石と思はれる石肌をしてゐる
  • 鳥居塚 塚の碑文に「由緒 昭和二十四年氏子中協賛により建立奉献の明神型鳥居が、平成十六年九月八日台風十八号日本列島縦断日本海を北上暴風圏に入り(札幌最大瞬間風速五十一米)風圧に勝てず未曾有の爪痕を残し倒壊五十五年の役目を終える その砕かれた石山軟石鳥居の永久の休場として埋蔵  史跡 鳥居塚と号す 平成十七年六月卜日 幌内神社」(註 石山は札幌軟石の産地名)
  • 狛犬・手水鉢

 綺麗な紅葉が見られた一方、境内には何本もの倒れた樹があった。根元から折れたもの、根こそぎ倒れたもの。倒れずとも根が浮いてゐるもの。9月の台風による被害と思はれる。参道にかかる物は処置されてゐた。
 当社の次は、由仁町の三川神社へ向った。道程で7.6km。

写 真  (拡大写真は新しいタブ又はウインドウで開きます)

写真1


写真2


写真3


写真4


写真5  メンヒル


写真6  鎮座百年之碑


写真7  風雪百年 碑


写真8  忠魂碑


写真9  倒れてゐる樹木


出典・脚注
  1. 『北海道神社庁誌』北海道神社庁 平成11年 p.472・473

改訂記録
  • 令和06.03.27 ページ内の配置変更(スマホでの閲覧に配慮)。 写真に番号を附した。

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