ホーム(都道府県の選択)神奈川県の神社にもどる

大沼神社(神奈川県相模原市南区)

作成日 平成28年4月9日
よみ  おおぬまじんじゃ 地理院地図
参拝日  平成27年5月3日(日)
所在地  相模原市南区東大沼2丁目10-5 (北緯35度32分33.54秒 東経139度25分5.59秒)
 地図:地理院地図  いつもNAVI
HP  神奈川県神社庁 神社詳細 大沼神社
祭神  市杵島姫命 ( いちきしまひめのみこと )
由緒  元文元年(1736)に新田への入植者によって祀られたといふ。明治四年までは弁財天社と称してゐた。 また、境内社の稲荷社は享保年間(〜1735)に創建されたといふ。
雑記  小田急線相模大野駅から北西へ2.0km、JR横浜線古淵駅から南へ1.5kmの所にある。この辺りは、谷を造るような川は無く、 平らな台地が広がってゐる。
 当地は、元禄12年(1699)に新田の開発が始まり、宝永4年(1704)に検地が行われ大沼新田が成立したといふ。178町歩といふから結構な広さだ。 大沼は、宝永4年の検地によれば2町8反余といふ。現在の地図で大沼神社南東側の丸く道路で囲まれた部分は直径約300m、面積にすると7haで、 大沼水田記念碑にある7町歩とほぼ一致する。大沼は不動産業者に売却され、埋め立てて宅地等になったといふ。 昭和11年11月や昭和17年2月の空中写真をみると丸く囲まれた範囲に長方形に区画された様子が写ってゐるので水田の様だ。 沼は神社のすぐ近くに、ごく小さく写ってゐる。 な水
 当地は、明治初めまでは淵野辺村の一部で、淵野辺村が他4村と合併して大野村となり、昭和16年に5村と合併し相模原町となり大字大沼となった。
 北側の道路から鳥居をくぐると二段の階段で下に下りる。社殿周りの堀まで緩やかに下ってゐる。沼地を連想させる。堀にはなぜか水は無い。

 参道の右手には囲われた一画があり、大沼の地名碑と大沼水田記念碑がある。
大沼  ここは「大沼(おおぬま)」と呼ばれるおおきな沼がありました。また、弁財天がまつられているので「弁天沼(べんてんぬま)」ともよばれています。

大沼水田記念          衆議院議員  小金義照書

大沼は遠く日本武尊東征の砌り火難に相過されし地にして(古事記)文政地誌調書に「淵野辺の議は昔暦應年中(630年前)淵野辺伊賀守此○に蟄居 致し候其頃大沼有住大蛇人民甚だ苦事多し右伊賀守勇猛の者なれば此大蛇を退治龍頭龍像龍尾の三寺を建立し大蛇を「龍像権現と崇む」とある 爾来大沼は宙水地帯として測茫たる○秋に鷺鴨の閑眠を貪る所たりやがて下流中沼小沼周辺は濕潤なる豊沃となり享保十九甲寅年(233年前)すでに 四戸の定住開墾者あり文化中年頃特に濠雨○○大沼氾濫による下流地帯は工作二ケ年不能に陥り村民飢餓に頻す百姓半左エ門の蹶起により漸く免祖さ る今尚「御痒止」と呼称さる地帯あり更に名主由左ェ門により氾濫応急措置として開浚されしは「豊口排水路なり」明治十四年沼地帯は村持ちとなり七町一反 十五歩に縮小され同三十一年二月三日水田計画の為区長重○○長会議ありしも成立せず更に三十三年三月七日再分配の寄合いが行われ農家世帯七十九戸○○九畝歩 と決定す同日二十三日より掘割の作業を開始割取りは○方式による当時は直接播種であり水量多く耕作は困難であり収穫も極めて低し諸悪条件のため十 数年後にして再び葦の巷と化し僅かに早屋根資材の利用に過ぎなかった昭和十四年五月公園化につき大森 田島氏に譲渡す同十六年大東亜戦争勃発するや当 地区動員令下延百五十人に達す肥料の極度配給統制に生産衰退供米は強制食糧事情は頓に急迫秋その四分の一は随時開墾され作柄は豊饒を   極む 戦後農地改革が行われ二十五年食糧増産のため現耕作者及び地域民に解放さる同時に大沼水田組合が結成され灌排水溝並びに農道も 整備され概ね植田方式○○○共同薬剤防除が実施され一望黄金色の美田と化す 戦後すでに二十年国民経済も安定し食糧難も解消し 地域の著しい変貌発展は農民生活を向上し生産労力は激減○に地域開発のため昭和四十年 五味商事に譲渡す
我々として大沼発祥の地を文化財として永遠に保存すべき責務るも新時代の潮流に抗し得ず 嗚 呼 かくて白鷺の○○○舞いおり 大平の鴨群れが遊泳す長閑な田園風景 幾千と数知れぬ蛙の聲 池の面さざ波をただよわせ吹き来る微風 夏さえ肌寒き涼 風 今やそのすべては失われた 切々たる寂しさ胸迫るあり  ここに同志と共に記念の碑を樹立し幽遠なる史跡を相起し雄大な る自然美を我賛賛同特に地域民の繁栄を祈願するものなり

   昭和四十一年十一月吉日   大沼水田組合長  小方文○

濕:湿  蹶起:けっき、戦後は当用漢字に無かったため決起と書き換えたれた  聲:声
水田組合は昭和45年に解散したらしい。


鳥居の扁額


inserted by FC2 system