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金刀比羅神社 (北海道〈根室〉根室市琴平町)


附 北方領土十一社・弁天島鎮座市杵島神社
参拝日 令和3年6月1日(火)
作成日 令和4年2月5日(土)
改訂日 令和6年2月19日(日)
よみ  ことひら じんじゃ  
所在地 〈根室管内〉根室市琴平町1丁目4番地 (43度20分37.84秒 145度35分14.99秒)
 地図:地理院地図(ズームレベル15)
    いつもNAVI(ズームレベル13)  
地図  参拝当時の地図です。最新の地図は所在地欄のリンク先をご覧下さい。
地理院地図、東西 290km×南北 270km の範囲の地図です
・東西290km 南北270km
印:当社位置


地理院地図、東西 1.6km×南北 1.3km の範囲の地図です
・東西 1.6 km × 南北1.3 km、
印:本殿の位置
・上図は原寸大を71%に縮小表示
HP等 ・北海道神社庁 北海道の神社 金刀比羅神社
・Wikipedia:金刀比羅神社 (根室市)
・当社HP
祭神  大物主神(おおものぬしのかみ)
 事代主神(ことしろぬしのかみ)
 倉稲魂命(うがのみたまのみこと)
由緒  元 県社
 北海道神社庁webには次の様に載ってゐる(1)
 文化3年 高田屋嘉兵衛(2)(3)が漁場請負の際創祀した。明治10年、住民一同の請願を以て、公認の神社として開拓使庁の認可を受け、明治14年鎮座地を現在地に移し、社殿造営、境内整備をなし社格を郷社に列せられ、明治21年、神輿献備し、神幸祭を執行する。明治39年に社殿を改築し、大正8年社格を県社に列せられる。昭和11年昭和天皇の行幸を仰ぎ、玉串料を拝受する。昭和17年、社殿を造営、昭和21年、北方領土の島々の神社御神体を仮鎮座する。昭和28年、宗教法人金刀比羅神社として認証を受く。昭和52年社務所新築、昭和61年創祀180年記念祭を執行して「高田屋嘉兵衛」銅像を建立する。
 平成18年創祀200年記念祭を執行して、社務所新築。「神輿殿・お祭り資料館」を併設する。

 当社webの【沿革の大要】より
・文化3年 創祀。漁場請負人高田屋嘉兵衛松が枝町付近(旧根室市庁近傍)に祀宇を建立して金刀比羅大神を奉斎(1806年)
・天保3年 漁場請負人藤野家が神社護持に当たる
・天保9年 藤野家の資を以て社殿新築
・明治6年 本町に遷宮(開拓使の要請による)
・明治10年 公認神社となる
・明治14年 琴平町に遷宮(現在地)、郷社となる
・明治39年 社殿造営、境内整備し根室総鎮守の形態を整える
・大正7年 県社となる
・昭和11年 天皇陛下行幸、御親拝
・昭和17年 新社殿造営(現社殿)
・昭和21年 奉賛会結成
・昭和51年 氏子青年会結成
・平成18年 創祀200年、社務所・神輿殿・お祭り資料館新築
・令和2年 例大祭が「北海道無形民俗文化財」に指定される

・この間の地震被害
  昭和48年根室半島沖地震
  平成6年北海道東方沖地震   



北方領土の十一社 写真9参照

以下に、資料館展示のパネル内容を主に、当社webから少し補った。

 当社には昭和二十一年の終戦直後、島々の方々が身を挺して奉遷された十一社の御神体を、お預りしております。
 毎年例祭日には島の方々が祭典を行い、一日も早い北方領土の返還を祈願しております。」
社名所在地例祭日・他
近布内神社国後島6月28日
老登山神社国後島不定
東沸金刀比羅神社国後島不定
東前金刀比羅神社志発島10月体育の日
西浦泊稲荷神社志発島不定
金刀比羅神社水晶島10月第四日曜日
市杵島神社水晶島10月第四日曜日
金刀比羅神社多楽島9月23日
市杵島神社多楽島6月最終日曜日
大海龍王神社多楽島不定
色丹神社色丹島10月第二日曜日 写真を見ると鳥居前に長須鯨の顎の骨の飾り門がある。
  参考(よみ):近布内:ちかっぷない 国後:くなしり 志発:しぼつ 多楽:たらく 色丹:しこたん



市杵島神社 (根室市弁天島鎮座) 写真10、11参照

 根室港の入口にある弁天島(無人島)に鎮座してゐる。
北海道神社庁webには次の様に載ってゐる(1)

元 村社 神社庁包括下神社
御祭神 市杵島比賣神(いちきしまひめのかみ)
    多紀理比賣神(たぎりひめのかみ)
    多紀津比賣神(たぎつひめのかみ)
由緒 文化年間、北方漁業開拓者の高田屋嘉兵衛が大漁を祈って社宇を建立して創祀した。天保14年(1843)の正月に山田文右衛門の漁場会所から出火して類焼した。元治2年3月請負人藤野喜兵衛が私費で社殿を再建した。明治10年6月住民と藤野家が協議し、社費を住民負担とし修理や春秋の祭典と住民が奉仕して運営することとなった。明治15年村社に列格。明治45年、社殿を造営し境内地整備した。昭和28年、宗教法人「市杵島神社」として認証を受く。昭和33年、社殿改築(コンクリ-ト造)。
 金刀比羅神社(根室市琴平町鎮座)によると文化三年(1806)創祀、平成26年、根室港湾事務所工事安全連絡協議会の奉仕により、社殿修復及び塗装塗替えがなされた。
例祭 九月第二または第三日曜日、例祭日に参列者のみ利用可能な渡船がある
所在地 43度20分34.02秒 145度34分36.32秒 金刀比羅神社から西へ880m

金刀比羅神社の由緒板(手水舎近くにある、青銅製か)の末尾には次の様に記してゐる。
 「弁天島 市杵島神社は当神社の摂社にして文化年間高田屋嘉兵衛により創祀されし社なり」
雑記  最寄駅は根室本線根室駅で南南西(192°)へ1.9kmの所にある。根室市役所は同方向へ1.6kmの所にある。

 当社web内の【祭事暦】には「3月11日 舟魂祭」「8月上旬 サンマ・イカ大量祈願祭」「9月上旬 鮭定置網大量祈願祭」があり、当地における漁業の重要さが判る。

 資料館に展示の「北方領土の神社風景」に、〜写真集「懐かしの千島」より〜、とあったので調べてみた。図書館で閲覧は可能な事は判った。
 ・懐かしの千島:写真集 昭和56年(1981-09)刊行 写真集懐かしの千島編纂委員会 編
 ・国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧・印刷できる。近くの図書館は図書館向けデジタル化資料送信サービス参加館なので閲覧を申込めば閲覧できるやうだ。

高田屋嘉兵衛については、淡路島に高田屋顕彰館・歴史文化資料館[菜の花ホール](3)がある。伊弉諾神宮(淡路市鎮座)参拝の機会のあるときに拝観できるだらうか。金刀比羅神社創建した人と云ふだけではない人物だ。開拓神社の祭神でもある。

写 真  (拡大写真は新しいタブ又はウインドウで開きます)
写真1
写真1 拡大 (1280×960)

社頭

鳥居をくぐって左に向ひ、大きく右に弧を描きながら緩い坂を登ってゆくと三の鳥居が現れる。

途中、海上遭難者之碑、戦友会碑、安政二年の石灯籠がある。

写真2
写真2 拡大 (1280×960)

三の鳥居

鳥居の向かうには神門がみえる

神門までの間に、行幸記念碑(昭和十一年九月二十八日行幸)、手水舎、由緒板(銅製、昭和五十二年奉納)、石灯籠、青銅製灯籠などがある。

写真3
写真3 拡大 (1280×960)

神門

写真4
写真4 拡大 (1280×960)

神門をくぐったところ

写真5
写真5 拡大 (1280×960)

社殿正面

社前の狛犬一対は青銅製、昭和五十一年八月に創祀百七十年を祝って奉納されたもの。鋳造は富山県高岡市の一ノ瀬美術銅器製作所製。同じ苗字の違う船名で同じ苗字の四氏が「奉祈願 ○○丸海幸 氏名」と陽鋳されてゐる。漁業関係者だらう。

写真6
写真6 拡大 (1280×960)

拝殿内

奉賛会及篤志家より昭和35年に奉納された。

写真7
写真7 拡大 (1280×960)

高田屋嘉兵衛 像(2)

本社に向って左手にある。像に向って左にある碑には次の様に刻まれてゐる。
高田屋嘉兵衛銅像建立之趣意
一、金刀比羅神社の創祀者である事
一、北方領土及び根室地方開拓の功労者である事
一、日露両国の紛争解決に挺身し、その修好に尽力した功労者である事
一、北方領土返還願いの標として
道東地方及び千島の開拓には多くの人々の心血が注がれました。
なかでも高田屋嘉兵衛は開拓当初の極めて厳しい時代にその先駆者として航路開拓、産業開発、民生安定に尽し、また日露両国の修好に尽力しました。
当神社創祀百八十年記念祭に当り彼の銅像を建立してその偉大な功労を讃え、更に之を標として、日ソ修好と北方領土の返還を期するものであります。
金刀比羅神社奉賛会


写真8
写真8 拡大 (1280×960)

千島戦没者物故者慰霊之標

台に記された碑文:千島列島及び北方水域に死没せし我同胞の御霊に対し、今尚弔魂ままならぬ現況に鑑み御霊安寧の苦衷を捧ぐ (大会宣言より)

柱の側面には「平成十年九月 第三十九回 北海道神社庁神社関係者大会 建之」と書かれてゐる。

写真9
写真9 拡大 (1280×960)

北方領土の神社

社務所建物内に神輿庫資料館が併設され、北方領土の神社についての資料も展示されてゐた。
下記は、資料館前の掲示。
北方領土の神社奉遷記

 昭和二十年当時、北方領土(歯舞群島・色丹島・国後島・択捉島)には六十五社の神社が鎮座していました。同年八月九日ソ連軍(現ロシア)は致死か列島へ侵攻を開始し、九月五日までに北方四島を不法占拠しました。
 社殿の損壊を危惧した氏子は、厳しいソ連軍監視の眼を逃れ搬出を試みました。そのうち十二柱の御神体の搬出に成功し、当金刀比羅神社等へ奉遷しました。爾来毎年例祭を斎行し、現在に至っています。

【奉遷した神社】

  《歯舞群島》      色丹島 稲茂尻神社(色丹神社と改称)
水晶島 金刀比羅神社    国後島 老登山神社
    市杵島神社         近布内神社
志発島 西浦泊稲荷神社       東沸神社    
    東前金刀比羅神社      植沖神社(根室常惺寺に奉遷)
多楽島 金刀比羅神社     
    市杵島神社      (注)氏子の高齢化や離散により例祭を
    大海竜王神社       斎行できない神社もあります

   平成二十九年七月記す
                奉寄進『老登山神社守る会』


写真10
写真10 拡大 (1280×960)

市杵島神社(根室市弁天島鎮座)

金刀比羅神社社殿の西側にある展望台から撮影、距離は815m、使ってゐるカメラの最大ズーム(35mm換算で95mm相当)。googleマップ(写真)には多くの写真が載ってゐて大いに参考になる。

写真11
写真11 拡大 (1280×960)

市杵島神社(根室市弁天島鎮座)

上の写真をトリミングしたもの

御朱印
御朱印 拡大 (930×1392)


出典・脚注
  1. 令和4年1月25日閲覧 北海道神社庁web内の北海道の神社 金刀比羅神社
  2. 参考1 高田屋嘉兵衛 ウィキペディア高田屋嘉兵衛には長文の記事がある。当社に銅像が建てられた旨の記載もある。
  3. 参考2 淡路島の洲本市にある高田屋顕彰館・歴史文化資料館[菜の花ホール]
  4. 令和4年2月4日閲覧 北海道神社庁web内の北海道の神社 市杵島神社

改訂記録
  • 令和06.02.19 ページ内の配置変更(スマホでの閲覧に配慮)。

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